目次
課題
できごと
小集団クラスで学習に取り組んでいるとき、1人の子どもが別の子どもに対して「これがわからないの? ○年生なのに?」と発言。
課題設定
本来思いやりのある子だが、その場の状況しか見えていないことで、相手が傷つきかねない発言をすることがあるため、過程に着目する視点を持ってほしいと思った。
結果の前に「過程」があるというのを知ること、過程に着目できるようになること、を課題として設定。
目の前の状況や結果だけを見るのではなく、過程を観察したり想像したりしながら人と接することができるようになるためのひとつの段階として。
教材・支援ツール
構成
- 過程/結果ボード(写真)
- 過程/結果の内容カード(写真)
制作に使った素材と道具
- 厚紙
- 油性ペン
- ペーパーカッター
- かどまるくん
使い方と手順
1回目
結果と過程があること、過程とは結果に向かう途中の段階であることを説明。
内容カードをざらざら~と出して、最初、いくつか分類して見せる。
子どもが分類のやり方を理解したら、残りのカードは、子どもに分類してもらう。
正しい方に置くたびに「そうだね」「OK」「うん」など、肯定の言葉をかける。違う方に置きそうなときは、置く前にすっと手を出して正しい方に誘導する。
分類が終わったら、結果の方の内容カードを読み上げて「これは結果だね」。
次に、過程の内容カードを読み上げて「これは過程だね」。
「お友だちの結果だけじゃなくて、過程も見られるようになったらいいよね。」
2回目
1回目と同じ説明。(覚えているようだったら省略してもOK。)
内容カードを出す。分類方法を覚えているようだったら、そのまま分類してもらう。
覚えてなさそうであれば、1回目と同じように子どもが理解できるまで、こちらが分類してみせてから、子どもに交代。
肯定の言葉がけも忘れずに。
分類が終わったら、1回目と同じようにまとめる。最後のセリフは変えたり、省略しても。
3回目からしばらく継続
最初に、内容カードを過程と結果に分類してもらう。
過程の内容カード、結果の内容カードを、それぞれ回収して、
過程の内容カードから1枚選んでボードの過程欄に置く、
結果の内容カードから1枚選んでボードの結果欄に置く。
例えば、「がんばっている」「60点」を選んだとしたら、
カードを指さしながら「がんばって、テストで60点を取りました。どう思う?」と問いかける。
子どもがどんな答えを言っても否定しない。
そういう視点もあるよね、というスタンスで話しつつ、「先生は、がんばっていることをすごいと思うな。」と、過程に注目する視点を提供する。
ねらい
- 視覚的なので伝わりやすい。
効果
- 回を重ねるごとに「過程」という概念が定着してきた。
- 導入3回目で初めて問いかけをしたときには、「がんばって60点なんておかしいよ!」って言っていたのが、回を重ねるうちに「60点かぁ、でも、がんばってるからすごいよね」とコメントするようになった。
- 友だちへの視点としてだけでなく、自分についても、結果だけじゃなく過程も見てもらえてるんだ、がんばっているという過程も大切なんだという視点が芽生えはじめているように感じる。
次の段階として今、頭をひねっていること
本投稿の最初に挙げたできごとについては、もうひとつ、人それぞれ得意不得意があるんだよ、ということを学べるようにしたいと思いつつ、いい教材を見つけられず。作るアイデアもまだ浮かんでこない…というところで停滞中。
考案・制作
フクイユウ
原案・参考
なし