幼児・児童の少人数クラスの場合(小集団指導の実践事例より)
1時間を「聞くこと」「声を出すこと」「手を動かすこと」「体を動かすこと」など、子どもの活動の側面から様々な要素で構成するようにします。
各活動の例として、以下のようなものが挙げられます。
- 聞くこと … 絵本、フラッシュカード(聞くだけ)など
- 声を出すこと … 音読、フラッシュカードや学習ポスター(先生の後について言ってもらう)など
- 手を動かすこと … プリント学習、クイズに○×の札で答えてもらうなど
- 体を動かすこと … ちょっとした運動、○×のエリアを作ってクイズに答えてもらうなど
各要素を順に並べて、1時間を構成するようにします。
日によって構成要素の順番を色々変えながら、そのクラスに合う(一番落ち着いて学習に取り組める)順番を探します。
最も相性のいい順が見つかったら、その順で毎回プログラムを組むようにします。
私が担当している小集団指導でも、絵本を聞くことから始めるのが落ち着くクラス、プリント学習から始めるのが一番学習に取り組めるクラス…と様々です。
小集団指導の場合は、静かになることを目指すのではなく、先生の言うことが聞こえて理解している、というところを目指すのがよいと思います。
(必要以上にルールでしばることは、個々の伸びやすさを抑えつけることになって良くないので。)
着席も、難しい場合は、無理にそこを目標とせず、先生のまわりに集まって座れば◎、遠くに座っていても先生の方を見ていれば◎、先生の話が聞こえていれば◎、などなど、子どもの現状にあった目標を定めて取り組むことが大切だと思っています。
さて、少人数であれば、ひとりひとりを見て対応を考えられますが、大人数だとなかなかそうもいきません。
…ということで、次は、人数が多い授業についてです。
人数が多い授業の場合
ちょっとした工夫で教室の雰囲気って変わるんですよ、という事例を。
私が、大学で経済学の基礎講座を担当していた頃のお話です。
当時、割とやんちゃな子が多く通っていた大学で、200人規模の講義を担当していました。
授業開始のチャイムが鳴っても、私が話しはじめても、ガヤガヤ…
ま、大学生ってそんなもんです。今どきは出席を厳密にとられることもあり、皆わりとちゃんと講義にくるので、それだけでも偉いなぁと。
とはいえ、私には講義をする責任があるし、やる気のある子たちが学びに集中できる環境を整えたい。
…ということで、学生たちを観察して気が付いたのが、ノートを取らなきゃいけないタイミングで一旦静かになるということ。
これは使えるなと思い、配布資料の冒頭に日付の記入欄を作って、毎回、講義の最初に日付欄へ書き込むところからスタートするようにしました。
そうすると、日付を書き込むタイミングで一旦皆に授業スイッチが入るので、あとは、どうしても黙っておけない性分の子たちがすこしおしゃべりしはじめたタイミングで、こまめに私語注意をすることで、私の声だけが聞こえる講義をすることができるようになりました。
この仕掛けをするようになって以降、私の担当講義は本当に静かで、見学に来られた先生方も「福井先生の授業、静かですね~😲」と驚いて帰られるほど。
ささやかな工夫ですが、叱らず、かつ、効果的に皆のスイッチを切り替えられるので、おすすめです。
まとめ
少人数の場合、
- 静かにする/着席する等ではなく、個々の子どもにあった目標を設定する。
- クラスごとに学習に向かいやすいパターンが異なるので、様々なパターンを試して相性のいい進め方を探し、合うパターンで進行する。
大人数の場合、
- 最初にちょっとした「書くこと」を入れて、習慣化する。