どんな本?
職場のアサーティブ・コミュニケーションについて、わかりやすく、具体的にまとめられた本です。
(アサーティブ・コミュニケーションとは、自分も相手も大切にするコミュニケーションの手法のこと。詳しくは → アサーティブ・コミュニケーションとは? アサーティブ/アサーションという言葉の意味と接点 )
企業等での講師・相談実績豊富な方が執筆されており、職場のコミュニケーションに焦点を絞っていることと、多数の実例にもとづいて書かれていることが大きな特徴といえます。
事例の記載も多く、あるある!な困ったシチュエーションについて、どう対応したらいいのか、具体的、かつ、実践的に書かれています。
感想
アサーティブ・コミュニケーションについて色々調べて良さそうと思った本を数冊買っておいたなかで、最初に読もうと手にとったのがこの本です。
1~4章では、細かいところでもっといい表現がありそうとか、この部分には同意できないなと感じた部分もありましたが、
全体として、とても具体的で実践的で、読みやすく、わかりやすく書かれており、いい入門書だと感じました。
アンガーマネジメントや傾聴など、職場のコミュニケーションにかかわる周辺の概念についても記載があり、職場のコミュニケーション改善にかかわる全体を見渡せるようになっています。
2022年初版の新しい本であるため、オンラインでのコミュニケーションが増えた現在の職場の難しさをふまえた内容になっている点も◎です。
第5章が特に実践的で、すごく学びになります。
ご興味ある方は、詳しくは本を読んでいただければと思いますが、こんな内容が読めるよということをお伝えしたいので、第5章の目次をご紹介します。
第5章 ケース別対応例
出典: 戸田久実『日経文庫 アサーティブ・コミュニケーション』日本経済新聞出版, 2022
- 攻撃的な相手に、どう伝えればいいか
- 取引先からの無理なお願いを断るとき
- 権威ある人の発言を根拠に、意見を押し通してくる人への対応
- 攻撃している自覚がない相手に応じるとき
- 攻撃的な人と対話をするとき
- 非主張的な相手に言いにくいことを伝えるとき
- 繊細な人に注意を促すとき
- 非主張的な自己表現を改善する
- 「でも」「だって」「どうせ」が口グセの人と対峙するとき
- クレームを伝えるとき、クレームを言われたとき
- 相手の本音を引き出したいとき
- コミュニケーション面で相手の改善がみられないとき
- よかれと思って言ったことが、相手を傷つけてしまったとき
- リモートワーク時でも深くコミュニケーションをとりたいとき
本の概要
書誌
書名 | 日経文庫 アサーティブ・コミュニケーション |
著者 | 戸田久実 |
出版社 | 日本経済新聞出版 |
発行年 | 2022年7月 |
目次
第1章 アサーティブ・コミュニケーションとは
第2章 アサーティブになるための準備
第3章 アンコンシャスバイアスの影響に気づく
第4章 アサーティブな表現のポイント
第5章 ケース別対応例