継次処理と同時処理について勉強しようと買った本が、わかりやすいイイ本だったのでご紹介します。
購入の理由
継次処理と同時処理について最初に知ったのは、発達検査についての研修。
私は「継次処理」が優位なタイプだと自己分析し、だとすると、「同時処理」タイプの子どもについては、勉強しないと理解のしかたや適した教え方がわからないな、と思ったのです。
ということで、色々調べて良さそうと思い、本書を購入。
感想
さて、読んでみてどうだったかというと、
継次処理と同時処理、それぞれの特徴や違いについて様々なポイントが挙げられていてわかりやすく、さらに、各タイプが理解しやすい提示のしかたなども、具体例が多く、参考になる情報がたくさん得られました。
いま担当している子どものなかに、同時処理タイプっぽいと思っている子が複数いたのですが、
この本を読んで、そのうちの1人は継次処理が優位なのにもかかわらず、視覚的な情報は視線のコントロールが難しいためにやむなく同時処理的に対応しているのではないか、と見立てが変わりました。
これをうけて、より適した方法の検討や教材作りができそうです。
指導者、支援者だけでなく、お子さんの勉強を見ている方で、子どもの理解のしかたがいま一つピンとこないな…と思われている方にも、いいヒントがもらえる本だと思います。
本の概要
書誌
書名 | 「継次処理」と「同時処理」 学び方の2つのタイプ 認知処理スタイルを生かして得意な学び方を身につける |
著者 | 藤田和弘 |
出版社 | 図書文化社 |
発行年 | 2019年9月 |
目次
序章
1 学習方法とわかり方(認知の仕方)のミスマッチ!?
2 認知処理スタイル2パターンのうちあなたはどちらのタイプ?
3 あなたと子どもの認知処理のタイプは?
第1章 認知発達の偏りから起こる学習のつまずきとは
1 認知発達の偏りとは
2 学力観の変遷
3 知能観と知能検査
Column1 果物にたとえた知能観――昔「りんご」、いま「みかん」
第2章 継次処理スタイルと同時処理スタイル――二つの認知処理スタイルとそれに応じた指導方法
1 二つの認知処理スタイル
2 子どもの認知処理スタイルに応じた教師の指導方法
3 認知処理スタイルを生かした長所活用型指導
4 五つの基本原則とそれを生かした指導例(漢字の読み書き)
第3章 認知処理スタイルを生かした通常学級での指導の実際
1 認知スタイルを通常学級の授業で生かすために
2 認知処理スタイルの特性を生かした通常学級での指導の実際
3 二つの認知スタイルを生かした指導とは
第4章 認知処理スタイルを知るチェックリスト
1 認知処理スタイルを把握するには
2 認知処理スタイルを見分けるチェックリスト
3 知能検査を用いたアセスメント――知能検査の現状と日本版ABC-Ⅱ
Column2 K-ABC-Ⅱとは
第5章 フィードバックを通じて自分に合った学習方法を身につける
1 アセスメント情報のフィードバック──KABC-Ⅱの場合を例に
2 KABC-Ⅱフィードバック面接の実際と効果
Column3 「その子に合った指導」が自立につながる
資料1 認知処理スタイルと学習方法の関係
資料2 個に応じた教育の時代に――合理的配慮と支援・指導計画
資料3 学校における心理アセスメントの基礎知識