ペアレントメンターとは
ペアレントメンターとは、「自らも発達障害のある子どもの子育てを経験し、かつ相談支援に関する一定のトレーニングを受けた親」のこと(ペアレント・メンターガイドブックより)。
メンターとは「信頼のおける相談相手」という意味です。ペアレント・メンターとは、自らも発達障害のある子どもの子育てを経験し、かつ相談支援に関する一定のトレーニングを受けた親を指します。ペアレント・メンターは、同じような発達障害のある子どもをもつ親に対して、共感的な支援を行い、地域資源についての情報を提供したり、体験談を話したりすることができます。
出典: ペアレント・メンターガイドブック作成委員会「ペアレント・メンター ガイドブック 家族による家族支援のために」(PDF)
ペアレントメンター事業は、地域によって運用が様々。
講話等のための派遣から個別相談まで対応している地域、派遣のみ実施している地域、まだ導入していない地域もあります。
47都道府県のペアレントメンター実施状況
47都道府県に問い合わせた「発達と」の調査では、ペアレントメンター制度の実施状況について、回答があった28都道府県のうち、25都道府県で実施しているとのことでした。
以下、「発達と」による調査の集計データです。
47都道府県におけるペアレントメンター制度の実施状況(2023年7月30日現在)
実施あり | 25 |
実施なし | 3 |
未回答 | 19 |
各地の相談先等については別記事にまとめていますので、下記のカテゴリでご確認ください。
日本におけるペアレントメンターの歴史
日本では、2005年から一般社団法人日本自閉症協会がペアレントメンター養成講座を開催、さらに、2010年からは、厚生労働省がペアレントメンターの養成を行う自治体への支援を開始しています(コトバンク[小学館「日本大百科全書 ニッポニカ」]より)。
海外におけるペアレントメンター
英語で「parent mentor」と検索すると、海外のペアレントメンターの事例を垣間見ることができます。
海外では、(発達障がいに限定されず)障がいがある子どもをもつ親が、特別支援教育の方法や内容、学校や家族とかかわるしくみとして活用されている場合が多いようです(Ohio’s Parent Mentor Project in US / Dublin City Schools in US / TVCC in Canada など)。
また、有色人種である親が学校で差別軽減のためにボランティアとして活動することを指す事例、虐待や育児放棄の可能性がある家族を支援するチームの呼称を「Parent Mentor」としている事例もありました(The Parent Engagement Institute in US / Child & Family Services in US)。